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先進医療の現状
先進医療は手術や放射線治療だけでなく、投薬や検査など幅広く

先進医療と聞くと、最先端の医療機器を用いた手術(外科療法)や、培養細胞を用いた再生医療などを真っ先に思いつく人が多いことでしょう。

実際には、高度の技術を要する外科療法や放射線療法、移植・再生療法などのほか、抗がん薬などを中心とした薬物療法、自己細胞を用いた免疫療法など、先進医療にはさまざまな治療があります。また、治療だけでなく、検査や診断においても先進医療となっている技術もあります。

【手術や放射線治療以外に活用される例】

  • 術後のアスピリン経口投与療法 
  • 家族性アルツハイマー病の遺伝子診断(検査・診断)
  • 抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査(がんの検査・診断)

 

不妊治療関連技術が先進医療に加わり患者数が急増

1984年に制定された「特定療養費制度」において、国の承認を得た「特定承認保険医療機関」で受けた「高度先進医療」および「先進医療」は、保険診療との併用が認められました。この2つは2006年の健康保険法の一部改正で統合され、現在の「先進医療」という名称になりました。

新しい「先進医療」が始まって以降の傾向では、先進医療技術数にあまり⼤きな変動は⾒られません。実施医療機関数、先進医療に係る総額、患者数は増加傾向にありましたが、2020年にはいずれも大幅に減少しました。 これは、2020年4月に実施医療機関や患者数の多かった技術が先進医療から削除されたことが影響していると考えられます。

2023年の実績は不妊治療関連技術の実施件数が増加したため前年と比較して患者数が急増しました。2024年2⽉1⽇現在の医療技術数は78件、実施医療機関数は2,452件(延べ数)となっています。

 

入院を必要とせず、外来やクリニックで受けられる技術も

先進医療技術は必ずしも入院を必要とせず、病院の外来やクリニック(診療所、医院)で受けられるものもあります。

【外来やクリニックで受けられる例】

  • 糖鎖ナノテクノロジーを用いた高感度ウイルス検査
  • CYP2D6遺伝子多型検査
  • 子宮内膜刺激術

 

先進医療に係る費用は幅が大きく、数万円のものもあれば、数百万円以上かかるものもある

先進医療に係る費用は、1件あたり900万円以上の技術もあれば、数万円の技術もあり、費用の差が大きいことも特徴です。

【先進医療に係る費用の例】

  • 周術期デュルバルマブ静脈内投与療法 ⇒ 930万9,778円
  • 重粒子線治療(※1) ⇒ 313万5,656円
  • 家族性アルツハイマー病の遺伝子診断 ⇒ 3万円
  • 細菌または真菌に起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)⇒ 2万8,266円

厚生労働省先進医療会議における「令和5年度実績報告」(2022年7月1日から2023年6月30日の実績)をもとに当社にて試算。

※1 重粒子線治療は適応症によって先進医療Aと先進医療Bに分かれており、上記は先進医療Aの費用です。

 

実施医療機関が全国に1機関の技術もある

「重粒子線治療」や「陽子線治療」をはじめ、特殊な設備や専門かつ高度な技術をもった医療従事者を必要とする先進医療技術では、実施医療機関が限られてしまい、全国に多くは存在しません。

また、特殊な設備は必要ないものの、特殊な医療機器や専門かつ高度な技術を必要とする先進医療技術の場合もあり、1技術に対して全国で1医療機関しか実施していない技術もあります。

【1医療機関しか実施していない例】

  • 自己軟骨細胞シートによる軟骨再生治療
  • 自家末梢血CD34陽性細胞移植による下肢血管再生療法
  • 不可逆電気穿孔法

 

重粒子線治療、陽子線治療の実施医療機関