この先進医療は、片側の耳にだけ高度・重度の感音難聴（内耳に原因がある難聴）がある患者さんに対して、耳の後ろ側の皮下に人工内耳を植え込む手術です。人工内耳は音を電気信号に変換して聴神経を刺激し、音を脳に伝える働きをする装置です。
聞こえる最も小さな音の強さ（音圧）が70dB（デシベル）以上90dB未満なのが高度難聴、90dB以上でないと聞こえないのが重度難聴です。高度・重度の感音難聴は補聴器を使ってもよく聞こえないことがあります。
これまでは両側の耳の重度難聴の場合に限り、保険診療で人工内耳を植え込む手術を受けられましたが、片側の高・重度の難聴に対しては、聞こえを改善する有効な治療法がありませんでした。
片側難聴の患者さんに人工内耳術を実施する事により、全体の聞こえかたが改善すること、騒音下でも聞き取れるようになること、音がする方向を認識できることなどが期待されます。

 

耳鼻咽喉科系疾患

2021/04/01～2024/01/31