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先進医療の現状
先進医療は手術や放射線治療だけでなく、投薬や検査など幅広く

先進医療と聞くと、最先端の医療機器を用いた手術(外科療法)や、培養細胞を用いた再生医療などを真っ先に思いつく人が多いことでしょう。

実際には、高度の技術を要する外科療法や放射線療法、移植・再生療法などのほか、抗がん薬などを中心とした薬物療法、自己細胞を用いた免疫療法など、先進医療にはさまざまな治療があります。また、治療だけでなく、検査や診断においても先進医療となっている技術もあります。

【手術や放射線治療以外に活用される例】

  • ペメトレキセド静脈内投与およびシスプラチン静脈内投与の併用療法(薬物療法)
  • 家族性アルツハイマー病の遺伝子診断(検査・診断)
  • 抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査(がんの検査・診断)

 

実施医療機関数、先進医療に係る総額は、ともに年々増化

1984年に制定された「特定療養費制度」において、国の承認を得た「特定承認保険医療機関」で受けた「高度先進医療」および「先進医療」は、保険診療との併用が認められました。この2つは2006年の健康保険法の一部改正で統合され、現在の「先進医療」という名称になりました。

新しい「先進医療」が始まって以降の傾向では、先進医療技術数にあまり大きな変動は見られませんが、実施医療機関数、先進医療に係る総額は、ともに年々増化しています。2018年2月1日現在の医療技術数は102件、実施医療機関数は1,758件(延べ数)で、年間2~3万人程度が先進医療を受けています。

 

入院を必要とせず、外来やクリニックで受けられる技術も

先進医療技術は必ずしも入院を必要とせず、病院の外来やクリニック(診療所、医院)で受けられるものもあります。

【外来やクリニックで受けられる例】

  • 歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法
  • 角膜ジストロフィーの遺伝子解析
  • 多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術

 

先進医療に係る費用は幅が大きく、数万円のものもあれば、500万円以上かかるものもある

先進医療に係る費用は、1件あたり500万円以上の技術もあれば、数万円の技術もあり、費用の差が大きいことも特徴です。

【先進医療に係る費用の例】

  • オクトレオチド皮下注射療法 ⇒ 541万269円
  • 重粒子線治療(※)⇒ 314万9,172円
  • 冠動脈又は末梢動脈に対するカテーテル治療におけるリーナルガードを用いた造影剤腎症の発症抑制療法⇒ 2万8,000円
  • 神経変性疾患の遺伝子診断 ⇒ 1万7,968円

厚生労働省先進医療会議における「平成29年度実績報告」(平成28年7月1日から29年6月30日の実績)より。

※ 重粒子線治療は適応症によって先進医療Aと先進医療Bに分かれており、上記は先進医療Aの費用です。また、重粒子線治療のうち、頭頸部腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く)および限局性前立腺がんは、2018年4月より保険診療になりました。

 

実施医療機関が全国に1機関の技術から、600機関以上の技術までさまざま

「重粒子線治療」や「陽子線治療」をはじめ、特殊な設備や専門かつ高度な技術をもった医療従事者を必要とする先進医療技術では、実施医療機関が限られてしまい、全国に多くは存在しません。

また、特殊な設備は必要ないものの、特殊な医療機器や専門かつ高度な技術を必要とする先進医療技術の場合もあり、1技術に対して全国で1医療機関しか実施していない技術もあります。

【1医療機関しか実施していない例】

  • フェニルケトン尿症の遺伝子診断
  • CYP2D6遺伝子多型検査
  • C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変に対する自己骨髄細胞投与療法

 

重粒子線治療、陽子線治療の実施医療機関