角膜（黒目）と結膜（白目）の間にある「角膜輪部」には、角膜を覆っている「角膜上皮」のもととなる細胞が存在しています。何らかの原因で角膜上皮が障害を受けた場合、通常は、角膜輪部から新しい角膜が供給されます。しかし、再発翼状片、角膜上皮欠損（角膜移植によるものを含む）、角膜穿孔、角膜化学腐食、角膜瘢痕、瞼球癒着（スティーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡、熱・化学外傷瘢痕その他の重症の瘢痕性角結膜疾患を含む）、結膜上皮内過形成または結膜腫瘍その他の眼表面疾患では、角膜上皮の欠損が自然に修復されずに、大幅な視力の低下を招きます。
この先進医療技術では、帝王切開などで無菌的に摘出され、凍結保存された羊膜（胎盤の一部）を移植することで、眼表面を再生させます。羊膜には、炎症を抑えたり、傷を治す作用などがあることがわかっており、移植後の拒絶反応もほとんどありません。さらに、羊膜には血管がなく、薄い透明な膜でできているため、眼表面の移植に適した材料といえます。

 

眼科系疾患

2003/11/01～2014/03/31