- 多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)が疑われるもの(原発性副甲状腺機能亢進症【pHPT】<多腺症でないものにあっては、40歳以下の患者に係るものに限る。>または多発性内分泌腫瘍症1型【MEN1】に係る内分泌腫瘍症<当該患者の家族に多発性内分泌腫瘍症1型【MEN1】に係る内分泌腫瘍を発症したものがある場合または多発性内分泌腫瘍症1型【MEN1】に係る内分泌腫瘍を複数発症している場合に限る。>)
- がん抑制遺伝子の一つであるMEN1遺伝子に変異や損傷が生じ、ホルモンを産生する複数の内分泌臓器に腫瘍が発生する遺伝性疾患を、多発性内分泌腫瘍症1型(Multiple endocrine neoplasia type 1:MEN1)といいます。原発性副甲状腺機能亢進症をはじめ、膵腫瘍、十二指腸腫瘍、下垂体腫瘍、副腎皮質腫瘍、胸腺気管支カルチノイドなどが、時期を違えて発症します。多発性内分泌腫瘍症1型と診断された人の家系では、約80~90%にMEN1遺伝子変異がみられます。
従来の診断法では、上記のいずれかの症状・腫瘍を認めた場合は、多発性内分泌腫瘍症1型を疑って内分泌関係の検査を行い、患者さんから家族暦(家系の疾病暦)を詳しく聞き取り、診断していました。
MEN1遺伝子診断では、多発性内分泌腫瘍症1型が疑われる患者さんや、多発性内分泌腫瘍症1型家系の人に対して、MEN1遺伝子の変異の有無を調べて確定診断をつけることができます。これにより適切な検査と治療を行うことができ、ほかの内分泌腫瘍の早期発見にも有用とされます。
具体的には、以下のように遺伝子診断が行われます。
1)発端者診断
MEN1の発症が疑われる患者さん(発端者)を対象に、まず遺伝カウンセリングを行い、本人の同意を得た上で採血し、末梢血白血球からDNAを抽出します。次に、MEN1遺伝子のエクソン(アミノ酸に対応する情報をもつ部分)2~10のすべてを「PCR法」という方法を用いて増幅し、塩基配列を「DNAシーケンサー」という方法で解析します。遺伝子変異が認められた場合は、多発性内分泌腫瘍症1型であると確定されます。
2)保因者診断
MEN1遺伝子変異をもつ人(家系)の血縁者(保因者)を対象に、上記と同様の手順で遺伝子診断を行います。変異を認めた場合は、多発性内分泌腫瘍症1型に関する各種検査を行い、治療が適切と考えられる症例については早期治療につなげることができます。MEN1遺伝子の変異が認められない場合は、遺伝していないことが判明します。 - 2012/08/01~2020/03/31
- 過去に承認されていた実施医療機関
都道府県 医療機関名 所在地 電話番号 医療機関の実施期間 東京都 日本大学医学部附属板橋病院 〒173-8610
板橋区大谷口上町30-103-3972-8111 ~2020/03/31 大阪府 大阪市立総合医療センター 〒534-0021
大阪市都島区都島本通2-13-2206-6929-1221 ~2020/03/31 大分県 野口病院 〒874-0902
別府市青山町7-520977-21-2151 ~2020/03/31
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