卵巣がん・卵管がん・原発性腹膜がんに対して、より有効かつ副作用の低い化学療法を行うための先進医療技術です。
これまで、卵巣がん・卵管がん・原発性腹膜がんに対する標準的な化学療法は、抗がん薬のパクリタキセルとカルボプラチンが、いずれも静脈点滴投与で行われています。しかし、予後が不良のことも多く、さらに有効な治療が望まれていました。
そこで、抗がん薬を腹腔の病変部に直接投与する方法が考えだされました。まず米国における大規模比較試験によりシスプラチンの腹腔内投与の有効性が示されましたが、副作用の問題が解決されず、それにかえて、シスプラチンより毒性の低いカルボプラチンを腹腔投与の薬剤として使う治療法が行われています。
局所麻酔または硬膜外麻酔により腹部を小さく切開して腹腔ポート(治療のための器具を出し入れする筒)を留置し、直接カルボプラチンを腹腔に投与し、並行してパクリタキセル静脈内点滴投与を行います。
21日間を1コースとして行い、パクリタキセルは第１日目、第８日目および第15日目に標準量（80mg/m2 ）を経静脈投与、カルボプラチンを第1日目に標準量（※AUC6 (mg/L)・h）を腹腔内投与します。これを６コース繰り返します。
治療効果を上げるとともに副作用を弱く抑えて、患者さんのＱＯＬ（生活の質）を上げることが期待されています。

女性特有のがん

女性生殖器系疾患および産褥期疾患・異常妊娠分娩

2010/05/01～2022/03/31