この先進医療は、抗がん薬の経口投与が困難な、腺がんや腹膜播種が確認された胃がんの患者さんに対して、ｍFOLFOX6療法とパクリタキセル腹腔内投与を併用するものです。
ｍFOLFOX6療法は、抗がん薬のフルオロウラシルと抗がん薬の作用を助ける薬剤を組み合わせた治療に、抗がん薬のオキサリプラチンを同時に併用する治療法です。すべて点滴による静脈注射で行い、抗がん剤を口からとることができない患者さんに対する有効性が報告されています。もう１つのパクリタキセルも抗がん薬であり、すでにがん治療に広く使われています。
胃がんが進行し、がんが胃の壁を突き抜け胃の外側に露出してしまうと、がん細胞が腹腔内にこぼれ落ちる腹膜播種に至ることがあります。このため、腹膜播種が確認できれば、腹腔内に直接、抗がん薬を投与する治療が行われます。
切除不能の進行・再発胃がんのような、抗がん薬の経口摂取が困難な患者さんや腹膜播種が確認された患者さんに対しては、これまで十分な効果のある治療法はありませんでした。これに対してｍFOLFOX6療法の静脈注射にパクリタキセル腹腔内投与を加える治療は、このような患者さんに対しても治療の有効性の向上が期待されます。

消化管のがん

消化器系疾患、肝臓・胆嚢・膵臓疾患

2016/01/01～2019/03/31