この先進医療は、進行胃がんに対して、手術前に抗がん薬と分子標的薬を併用した化学療法を行うものです。
胃がんの治療の基本は手術ですが、がんが進行している場合には、S-1とシスプラチンという2種類の抗がん薬による術前化学療法を行い、がん細胞を小さくしてから手術を行うこともあります。
一方、胃がんのなかには、がん細胞の表面に「HER2（ハーツー）」というたんぱく質がたくさん見られるタイプがあります。手術が難しい進行胃がんの治療には、S-1とシスプラチンを用いるのが一般的ですが、HER2が陽性の場合には、分子標的薬のトラスツズマブを併用すると、治療効果が高まることが分かっています。トラスツズマブは、HER2に作用してがん細胞の増殖を抑える薬です。
この先進医療では、手術により切除が可能な進行胃がんのうち、HER2が陽性のものに対して、S-1、シスプラチン、トラスツズマブを用いた術前化学療法を行います。従来のS-1とシスプラチンによる術前化学療法にトラスツズマブを併用することで、治療効果の向上が期待されます。

消化管のがん

消化器系疾患、肝臓・胆嚢・膵臓疾患

2014/12/01～2023/03/31