この先進医療は、腹膜播種を伴う初発の胃がんの患者さんに対して、3種類の抗がん薬の併用療法を行うものです。
腹膜播種とは、がんが進行して、腹部の臓器を覆う「腹膜」にがん細胞が散らばることをいいます。手術による根治が難しく、抗がん薬による化学療法が治療の中心となります。現在日本では、S-1（TS-1）の内服投与とシスプラチンの静脈内投与を併用する治療法が行われていますが、予後はよくありません。
この先進医療では、海外で行われているカペシタビンの内服投与とシスプラチンの静脈内投与の併用療法に加え、ドセタキセルの腹腔内投与を行います。21日を1コースとし、カペシタビンを14日使用した後、7日間休薬します。それと並行して、第1日目にシスプラチンを、第1日目と第8日目にドセタキセルを用います。このサイクルを、がんの進行が確認されるか、副作用により継続が困難となるか、がんが縮小して手術が可能になるまで続けます。
強力な全身化学療法と腹腔内投与を併用することで、腹膜播種を伴う胃がんの患者さんの生存期間の延長が期待されます。

消化管のがん
その他（進行がん・転移がん）

消化器系疾患、肝臓・胆嚢・膵臓疾患

2015/04/01～2017/05/31