この先進医療は、シクロホスファミドという抗がん薬を免疫抑制薬として静脈内に投与する治療法です。対象となるのは血液のがんの一種・成人T細胞白血病で、非血縁ドナー（提供者）から提供を受けて末梢血幹細胞を移植した患者さんです。
血液のもとになる末梢血幹細胞の移植では、移植後の合併症（移植片対宿主反応と呼ばれる、ドナーのリンパ球が患者さんの臓器等を異物とみなして攻撃する反応）の予防が重要です。血縁者間でのHLA（ヒト白血球抗原）の型が半合致の場合の移植では移植後に移植片対宿主反応が強く起きることが多く、生命の危険を伴うことがありました。本治療法により、移植片対宿主反応をコントロールすることが可能になります。血縁者間半合致移植の次に非血縁者間の末梢血幹細胞移植でこの合併症のリスクが高いとされています。
この先進医療によって、成人T細胞白血病の非血縁ドナーよる末梢血幹細胞移植後の合併症が予防され、移植治療の安全性が高まることが期待されます。

血液・リンパのがん

血液・造血器・免疫臓器の疾患

2021/03/01～